フランダースの犬のラストシーン。ネロとパトラッシュは・・・?

南図書館主催の朗読講座がまもなくはじまります。

ネロとパトラッシュの最後のページを閉じて、現実の世界へもどってきた私が視線をあげると、参加のみなさんがハンカチで目を押さえている光景が広がっていました。

栃木県宇都宮市の南図書館が主催する朗読講座「沼尾ひろ子のドラマティックリーディング」。昨日は第1回めで、第1部は講演「朗読がたすけてくれた〜脳梗塞による失語症からことばをとりもどすまで」、第2部は朗読「フランダースの犬」でした。

「フランダースの犬」は、イギリスの女性ウィーダの作品で、1872年に発表されました。ベルギー北部の町アントワープが舞台です。ウィーダは動物がだいすきで生涯犬たちと暮らしたそうです。そんな彼女だからこそ、少年とおじいさんとフランダース犬の愛情にあふれた日常を描くことができたのでしょう。

でも、世間という大人の人間社会はいちばん大切なものから目を背け、いちばん尊いものを失くしてしまいます。二度と手の届かないところへ行ってしまった。

「フランダースの犬」は日本ではアニメにもなりだれもが知っているお話ですが、これほどまでに、なぜ?どうして?と問いかける児童文学は数少ないと思います。

ネロとパトラッシュは不幸だったのでしょうか。

不幸はだれが決めるのでしょうか。最後に涙を流したのはおとなたちでした。手を差し伸べることをしなかった大人たち=世の中の力ではなく、自分たちの手で成し遂げたネロとパトラッシュのしあわせなsceneを、私は描きたかった。伝えたかったのです。

参加のみなさんの涙。ドラマティックリーディングの世界を堪能していただけたならうれしいです。

次回もお楽しみに。

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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