その日は、ルーヴァンのお祭りのさいごの日でした。市に稼ぎに行く金物屋は、老犬パトラッシュをひとときも休ませることなく、荷物をいっぱい積んだ荷車をひかせました。一滴の水も与えられなかったパトラッシュは、とうとう力尽きたため、水に捨てられました。
ネロとおじいさんも、お祭りとは無縁で日々の暮らしのために働いていました。その帰り道、道ばたに倒れているパトラッシュを見つけ、家に連れて帰りました。
この日からおじいさんと少年ネロと老犬パトラッシュは一緒に暮らすことになったのです。
貧しくても、あたたかで小さなしあわせの時がはじまりました。
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