予報通りの雪。 外出しないと決めてなぜかほっとする。 閉ざされた心地よさというか、つつまれた感がなんともきもちをやわらげる。 夫は畑の作物を心配して、暢気な私を溜息をついて一瞥するのだけれど。 私は窓から見る雪がすきなのだ。 子どもの頃、翌朝のふっかふかの雪の上をころがるのがすきだった。 ちっとも寒くなかった。 でも、少女は、こごえるような冬、雪のふりしきる暗い夜、家に帰れずマッチを売っていました。 ハンス・クリスチャン・アンデルセンはこう書いています。 「旅行でグロースデン城に滞在している時、フリンク氏から、三枚の絵の中から一枚を選んで、一編の童話を書くようにと手紙を受け取りました。『マッチ売りの少女』はその時書いたものです」と。 また、母の貧しい生い立ちについて、 「母は、子どもの頃両親から物乞いに家を出されましたが、どうしてもできなくて、オーデンセ川の橋の下で一日中泣いていたと聞きました。その話を子どもの頃聞かされて目に浮かべて泣きました」 「マッチ売りの少女」は、当時のデンマーク社会へアンデルセンが童話を通して伝えたい思いから生まれたともいえるのかもしれません。 1848年のことでした。 挿絵 A.J.BAYES
マッチ売りの少女はこうして生まれた
2022.02.10
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