YouTube沼尾ひろ子の朗読の世界に「グスコーブドリの伝記」登場

宮沢賢治の作品の中でなにがいちばんすきかと聞かれたら、とても迷う。「銀河鉄道の夜」も「風の又三郎」も「なめとこ山のくま」も「セロ弾きのゴーシュ」もどれもほんとうにすきで、それぞれにはそれぞれのすきの理由があって何時間でも話せる。

「グスコーブドリの伝記」はすきという観点から別次元のところにある。特別なのだ。

伝記だから、幼少期から時系列で展開していく。ブドリは、ではじまる。静かにはじまり、静かにおわる。ブドリの感情はほとんど描写されない。起承転結や大きな盛り上がりはなく、そっと終わる。

泣きたくてたまらないのに、泣かせてくれない。でも、心の空模様は、突然やってくる夕立のように、激しく、ドラムを叩いているようにその声はかきけされる。

「グスコーブドリの伝記」はそんな物語。

2時間超の長いお話です。じっくり聴いてみたい方はYouTube沼尾ひろ子の朗読の世界をのぞいてみてください。

グスコーブドリの伝記

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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