「からだがふるえました」 そんなことばをいただいた。 「声が耳から入ってくるというより からだで感じているみたいなんです」 ああ、体感していただけたんだ。 ドラマティックリーディング「クリスマスキャロル」。 3人の幽霊に誘われてスクルージは時空を瞬間移動する。 それは、彼の心の深淵にまで。 彼の心は慟哭となった。 波動が聴いている方の全身を揺さぶった。 「雪の女王」「12月(つき)」「レ・ミゼラブル」「クリスマスキャロル」 クリスマススペシャル朗読4つのお話。 どの物語も、しっくりくるまで何度も何度も推敲した。 夏前に一度書き上げ、ねかせておいたものもある。 感情の高ぶりを一度小さな波になるまで待つ。 静かな状態で、再度目を通したとき 鉛筆が動きだす。 ことばに魂が宿るまで、それは一字一句に及ぶ。 実際、朗読の練習をすることはほとんどない。 文を書き上げた時点で、それは私の中にあるから。 土曜日の朗読の世界がはじまるとき、 最初の一音で物語と一体となる。 描写は、その時発する声が語りだす。 登場人物に、命が吹きこまれてしゃべりだす。 私は身をまかせる。 声の波動。 生で感じてくれたらうれしい。
「からだがふるえました」〜クリスマスキャロルを聴いて
2021.12.27
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