「からだがふるえました」〜クリスマスキャロルを聴いて

「からだがふるえました」
そんなことばをいただいた。
「声が耳から入ってくるというより
からだで感じているみたいなんです」
ああ、体感していただけたんだ。

ドラマティックリーディング「クリスマスキャロル」。
3人の幽霊に誘われてスクルージは時空を瞬間移動する。
それは、彼の心の深淵にまで。
彼の心は慟哭となった。
波動が聴いている方の全身を揺さぶった。

「雪の女王」「12月(つき)」「レ・ミゼラブル」「クリスマスキャロル」
クリスマススペシャル朗読4つのお話。
どの物語も、しっくりくるまで何度も何度も推敲した。
夏前に一度書き上げ、ねかせておいたものもある。
感情の高ぶりを一度小さな波になるまで待つ。
静かな状態で、再度目を通したとき
鉛筆が動きだす。
ことばに魂が宿るまで、それは一字一句に及ぶ。
実際、朗読の練習をすることはほとんどない。
文を書き上げた時点で、それは私の中にあるから。
土曜日の朗読の世界がはじまるとき、
最初の一音で物語と一体となる。
描写は、その時発する声が語りだす。
登場人物に、命が吹きこまれてしゃべりだす。
私は身をまかせる。
声の波動。
生で感じてくれたらうれしい。





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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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