ケストナーはこの物語を1949年に書きました。 この時代背景を朗読の前に話します。 なぜならそのことがとても大切なことだから。 「動物会議」はタイトルもかわいいし、 挿絵はさらに心をかきたてるかわいさだし、 動物たちがこのようなエキセントリックな会議をひらくなんて想像もせずに、 この本を手に取った方はびっくりすることでしょう。 ケストナーは冒頭に「子どもと識者のための本」と書いています。 大人に読んでほしい子どものための本というのが正しいのではないかと思います。 正しいと思われることを成し遂げる純粋な気持ちは、 純粋であればあるほど時に過激で強硬です。 ケストナーはしかし、「会議」という理解し合うことを 終始一貫して伝えているように思います。 ナチスドイツの支配下で書籍を焼かれ、処刑の影におびえ、 東と西の分断により最愛の母と別れ、再会した時母は記憶を失っていたー 私達が想像しても この苦しみと恐怖をほんとうに理解することは難しいかもしれません。 でも彼は「動物会議」を書きました。 世界中の子どものために。 おとうさん、おかあさんのために。 トリヤーはわくわくするような挿絵を描いてくれました。 私は「沼尾ひろ子の朗読の世界」のために、朗読台本を書きました。 今、私の声で、私のことばで、私の「動物会議」の世界へ誘うために。 ライオンのアロイスも象のオスカールもシロクマのパウエルも、 一本気な熱血漢から思慮深い行動派に。 ドラマティックリーディング「動物会議」。 北アフリカのチャド湖のほとりで、 ワインでものみながら、 動物たちとあれやこれや。 時空をこえて想像の旅へ。 #動物会議 #ケストナー #朗読 #ドラマチックリーディング #ナレーター #沼尾ひろ子
ケストナーが「動物会議」を書きたかった理由
2021.11.13
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