どっどど どどうど どどうど どどうと風が吹く。私の風の又三郎

 

どっどど どどうど どどうど どどう 青いくるみも吹き飛ばせ

すっぱいかりんも吹き飛ばせ どっどど どどうど どどうど どどう

宮沢賢治の、自然を描写することば、特に擬音語擬態語が好きだ。遠くの山から里に吹き下りてくる風が家の中を吹き抜ける描写などがそれにあたる。色や見える。皮膚が感じる。動いている。音と文字の符合。

風の又三郎には、朗読の醍醐味がある。同時に、困難な作品でもある。それは、生き生きと話す子どもたちの岩手弁、しかも、時代の。あの独特の、やわらかな、かわいらしいイントネーションや、滑舌の間の音韻。並大抵のことでないのだ。なんとなくこんな感じは、NHK朝ドラ「あまちゃん」の”じぇじぇじぇ”を思い浮かべてもらってもよいかな。そこに、1930年頃の時代の話言葉が加わると・・・。むずかしい〜

昔たいへんお世話になった岩手県ご出身のTVプロデューサーkさんが方言指導をしてくださった。長時間にわたって教えてくれた。聴いているだけで心がほっこりする。いやいや、ほっこりしてばかりはいられない。徹底的に自分自身にすり込ませる。

およそ2時間の朗読を、前編後編と2週にわたって朗読。私の風の又三郎。聴いている方のスクリーンに、どっどど どどうど どどうど どどうと風が吹く。

 

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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