朗読「ワグナー・ナンドール物語」ーリストハンガリー文化センターにて

『10 月 23 日。ハンガリー革命の日。
今から 66 年前の 1956 年、 度重なる戦争でソ連の衛星国となり、 ハンガリー共産党政権の弾圧に反対する民衆が蜂起した。

しかし、この革命により、多くの市民が犠牲となった。

この戦乱のまっただ中を生き抜き、彫刻と哲学で平和への 意味、生きることを生涯伝え続けたワグナーナンドールと いう日本人がいた。

彼は、日本の「武士道」を心から尊敬していた。強さの中 にある信義、礼儀、いたわり。

武器をもたないことで平和と生きることを実現するために、いきついた答えを「哲学の庭」で表現した。

ハンガリーの時。そして、スウェーデン。日本へ。

激動の 75 年を、朗読で語る。』 ーリストハンガリー文化センタTuesdayTalkよりー

朗読「ワグナー・ナンドール物語」  2023/05/25

朗読  沼尾ひろ子    ビオラ 北谷茉莉子

北谷さんのビオラの音色がハンガリーの空気を醸し出して 

まさにその時代のハンガリーになった。

あたたたかさ、もの悲しさ、悔しさ、激しさ、強さ、情熱、希望、喜び・・・ 

それらを音で表現してくれた。

すばらしかった。

わたしは初めて立って朗読。

途中、水を飲む手の震えがとまらなかったのは全神経が集中していたせい。

文字をおっているのに、読んでいない。

私の声は私ではない。

終わった時、ふうっとこの場に戻ってきて一

拍手で私にかえった。

会場のみなさんの熱い言葉が飛び交った。

「もっと知ってもらいたい」

その言葉が、ほんとにうれしかった。

所長のアニタさんの冒頭のあいさつは胸に響いた。

ずっとその町から出たことのないひとのことば。

「いや、わたしは世界中を旅しているよ」

その意味は・・・。

ほんとうに深い、ハンガリーを表す話。

だれでも入れるリストハンガリー文化センターは、毎週なにかしかのイベント、Talk、コンサートを行っている。

ここでハンガリーの文化に触れることができる。

訪れるひとと交流が生まれる。

まさに、知ることができる場。

さて、今回、ことばに、いつも以上に精神を研ぎ澄まし

本番一時間前まで鉛筆を握りしめていた。

台本はぐっちゃぐちゃ。

まるで、生放送の生ナレーションの原稿みたいだった。

そうしてむかえた今日この「時」が、

記憶の一ページとなってくれたらうれしい。

この「時」をいっしょにすごせた

すべてのひとに感謝。

そして・・・。

ナンドールアートギャラリー「哲学の庭」にぜひ足を運んでみてほしい。

彼の彫刻に心を揺さぶられるにちがいないから。

そして、きっと深く気づくことができるはず。

             

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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