世界をひとつにする雪渡り

雪渡りができる日。お月さまが青白くひかる真冬の夜、降り積もった雪がカチンコチンに凍り、一面氷の雪原になります。小川が流れていたり作物が植わっていていつもは歩けない野原や畑。歩いてどこまでも行けるのです。キックキックトントンとスキップしたくなる気持ち、わかる〜!それは、人間の子どもだけじゃないのです。きつねの子も、ふだんはひとの暮らしに近寄りませんが、雪渡りの日は、キックキックトントンとスキップしながら出てきました。雪渡りは、別の世界を営むひととキツネ、境がある村里と山をひとつにしてしまいます。そして、幻燈会は11才以下の子ども限定です。そこに、賢治の言わんとしているものを感じるのです。お酒に酔って自分で食べたのに、きつねにばかされたときつねのせいにする。なかよくしなさい、けんかしないで、たすけあいましょう、と子どもには教えるのに、世界は、自国ファーストのために戦争を繰り返す。なぜ、大人になると言い訳が必要になってしまうんでしょう。この日雪渡りは、童心にかえる大切なお話でした。キックキックトントン♪キックキックトントン♪キックキックキックキックトントントン♪

朗読「雪渡り」

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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