人魚姫がしあわせに


「人魚姫」はアンデルセンの代表作。私も少女時代、海の中のおひめさまにあこがれて、よく人魚のおひめさまの絵を描いたりしたものです。

これほど夢をかきたてるおひめさまがいるでしょうか。きっと海の底という神秘も、想像の世界を広げるのでしょうね。

そういえば、日本の昔話、浦島太郎に登場する竜宮城もそうです。海の底のおひめさまはおとひめさまでした。

人魚のおひめさまは、悲劇のおひめさまです。

人間の王子様に恋して、美しい人魚のしっぽも、清らかな声も、家族も、ぜんぶ捧げてしまいます。王子様は、人魚のおひめさまの真心に気づいても、それに応えることをしませんでした。命とひきかえに、それでも王子様のしあわせを願う人魚姫。

大人になって読んだ時、なぜ?どうして?かわいそう・・・

さまざまな疑問ややるせなさが渦巻いて、。

アンデルセンがなにを伝えたかったのか、それは、ひとそれぞれ、感じるものがあっていいのですが、

わたしは、聴き終わった時、かわいそうと思って流す涙が、あたたかな涙にかわるように、言葉を紡ぎます。

 

およそ1時間の朗読を聴き終わって、

「あっというまだった」

「物語の中にいるようだった」

そんなことばをいただきました。

聴いていただいたひとのやわらかな笑顔をみて、

よかったなあ、と思いました。

私が朗読する人魚姫は、ハッピーエンドなのです。

 

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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