万葉の歌に詠まれる湯河原の情熱の恋

湯河原は、名だたる文豪たちが長く滞在して温泉に癒やされながら小説を書いたり足繁く訪れた、文学と深い関わりのある土地柄。熱海のような賑々しさがなく、それでいてうら寂しいわけでもない。ひととひととの距離感がほどよく、ひとりなのにひとりじゃない。居心地良く集中できるから筆もすすんだのではないかしら。温泉発見の狸伝承もあるほど山深い。でも、万葉集にも詠われるほど愛するひとの心を情熱的にさせる。

足柄の 土肥の河内に出づつ湯の 世にもたよらに 子ろが言はなくに

夜となくこんこんと湧き出づる湯河原の温泉のような情熱で言ってくれないから、なにも手につかないよ

湧き出るお湯の熱さまでも感じませんか?なんて率直でまっすぐで激しいの!でもね、「言ってくれない」って、相手に求めてばかりじゃだめなのよ。言わないことが、燃え上がらせることを彼女は知っているのかも。じらしてる? いえいえいふたりは恋の戯言を楽しんでいるのかも?!

かの情熱歌人与謝野晶子も、湯河原を愛したっけ。

むかしの恋をなつかしむひとも、愛するひとへの思いをはせるひとも、まだ燃えるような恋の相手に出会っていないひとも、もちろん、愛する人とも。

”たぬき”と”恋”の湯河原で、、、、。


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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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