私の竹取物語

 

竹取物語。かの紫式部において「物語の出で来はじめの祖」といわしめた、まさに日本のストーリー古典といえるのではないでしょうか。朗読のために原文を読み解いていくにつれ、ぐいぐいひきこまれ、すごい!となんべんもつぶやいている自分に気づくことから、得心している次第です。場面転換、そのシーンには、特異性があって、時に別の物語を読んでいると錯覚してしまうほど。筆力とでもいいましょうか。あふれる創作性に感嘆します。八七十年頃に書かれたものと推測されていますが、未だ作者は不明です。どんな方がどのような想像力と知力で筆をしたためたのか、考えることも楽しみの時間でした。

「今は昔」で物語ははじまります。竹から生まれたかぐやひめの出生の章。5人の求婚者の章。ここでは、言葉の由来と5人の人物像を巧みにコラボさせています。帝との出会いの章。初めてかぐや姫の内面にも焦点があたります。心の通い合いは歌にも記されます。月の使者の降臨の章。まさにSFの様相を呈しています。そして、最後の章。帝の心象と言葉の知で結ばれます。このストーリーを平安の時代に書かれたと思うと、日本人がいかに言葉を大事にしてきたのか、そして、そのDNAが私たちに受け継がれていることに、喜びを感じるのです。

私の竹取物語。かぐや姫の心象に深く焦点をあてて作り上げました。かぐや姫がどのような思いで月にかえっていったのか。私の朗読の世界で、平安の時へ一緒にまいりましょう。

それでは今宵。

#竹取物語  #朗読 #雅楽 #十二単

 

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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