毎週土曜日のひそやかな楽しみ


 

ひさしぶりにご夫婦そろって聴きにきてくれたお二人と、毎週聴きにきれくれる素敵な女性と、「しあわせな王子」の朗読の後、いろいろな思い、感じたことを聞くこの時間の、なんとしあわせなことか。お話は啓蒙であってはならないと、いつも思って朗読している。感じてくれればいい。聴いてよかった、そう思ってくれるだけでいい。私の朗読を聴いて、そのひとが豊かな時を紡いでくれることが、いちばんの私のしあわせ。だから、聴き終わった後に、ぽつりぽつりと、言葉を発して、思いを伝えてくれて、それを聴いた方が、また、「ああ、そういう考えもあるんですね」と深くうなずいて、また、言葉を繰り出す。私は、私で、朗読を聴いてくれた方から、言葉の贈りものをいただいている。「ここに来て、生で朗読を聴いて、こうして話をする時間が、なによりの楽しみ」。毎週土曜日のひそやかな楽しみを、私は、朗読をしながら享受しているのだ。

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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