梅枝に香る薫香を朗読で表現する醍醐味

源氏物語の「梅枝」は、平安時代の優美で華やかな色彩豊かな光景がちりばめられた大好きな帖のひとつです。特に、紫式部の源氏物語を与謝野晶子がみごとに表現した薫物合の情景は、みごととしか言いようがありません。源氏の姫、明石の姫君の裳着のお祝いの最中、大の大人が真剣に競い合うおもしろさと、兵部卿の宮に批評させ香りを表現する手法に圧倒されるばかりです。朗読で音にすればなおさら、その美しさが流れるここちよさに身を任せ私自身が酔いしれてしまいそうです。
『後伏見院宸翰薫物方』は、香を「六種薫物(むくさのたきもの)」として季節になぞらえて紹介しています。春、夏、秋、冬。それぞれの香。梅枝では、斎院は黒方香、源氏は侍従香、紫の上は梅花香、花散里は荷葉香を調香します。音と香。その妙を明日。

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ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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