失語症の方の滑舌体操プライベートレッスン

今日はプライベートレッスン。
Kさんは笑顔が素敵な青年です。
特殊技能を使う仕事の現場に復帰されているのですが、
悔しい思い、悲しい出来事もあるといいます。
失語症以外、身体の麻痺などの後遺症がないため、
外見は健常者そのもです。
そのため、普通に声をかけられるのですが、
とっさにはうまく受け答えができず、相手を不愉快な気持ちにさせてしまうことがあるというのです。
先日、外部の方が会社に訪問してきた時
聞かれていることを把握するまでに時間がかかり
また言葉をうまく発することもできませんでした。
「失礼なヤツだな」
去り際にそう言われ、
人しれず泣いたそうです。
そんなKさんを支えているのは、
奥様と小さなお子さん、ご両親。

言葉を紡ぐ。思ったことを相手に伝える。
これは経験値を上げていくことが大事です。
積み重ねです。
この言葉。この言い方。
忘れてしまったら、上書きしていく。
何度も何度も。
自分だけの頭脳パソコンですから、だれに迷惑をかけるでもありません。

そして、発音。
日本語は50音。5つの母音で成り立っています。
口の形を徹底的に身体に覚えこませます。
鏡を見てください。
目で見て口の形を認識することも有効な方法です。

Kさんは右側の麻痺を気にしているようでした。
鏡を見ながら滑舌体操を始めました。
しばらくしてKさんは少し驚いたような顔をしました。
思ったよりもこわばりが感じられないというのです。
口のまわりの筋肉をほぐし、正しい発音の口の形を覚えさせる。
繰り返し行います。

次は舌の位置です。
Kさんはラ行が苦手ということでした。
舌の位置と動かし方で改善していきました。

Eの発音。
これは口の形のイメージを持つことが大事なのですが、
イメージは人によって様々です。
宿題にしました。

あたたい声を持つKさん。
言葉への自信をつけて、心からの笑顔を取り戻しましょう。
全力で応援します。

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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