実生活での数字の理解

「数字が苦手なひと?」と問いかけると、7人中5人のひとが手をあげました。苦手といってもさまざまで、数字が記憶に残らない、計算ができない、音と意味のマッチングができない、発声ができないなど多岐にわたります。そもそも、数字が記号であることに原因があるように思います。表意文字である漢字は意味理解の手助けをしてくれるので、ふりがなをふれば発声までの誘導も同時に行えます。ところが、数字は意味をなさない記号の要素が大きいため、イメージしにくいのです。よって、記憶にも残りにくい。今日は買い物をやりますよと言うと、え〜・・・とあきらかに苦手で嫌だという反応。いつもなら、少し難しいことを率先してやります!と意気込むのに、よほど苦労しているのでしょう。やっていかないと改善されないので、今日できなくてもいいんですよ、と促しました。

商品と値段のついた紙が数枚。じゃがいも200円、にんじん150円、玉ねぎ150円、豚肉350円、鶏肉300円、キャベツ200円、カレールー300円、餃子の皮200円、、、というように。2人ひと組になり店員さんとお客さんに別れて円で夕飯の買い物をします。お客さんは1000円を超さないように、店員さんはおつりの計算もします。お客さんは何を作るのかも考えて買い物をするので自分の食べたいものをイメージして、つまり、日常と同じ条件で行います。計算に苦戦しているチーム、いくらという言葉が出なくて会話に苦戦しているチーム、数字認識が比較的良好なチームは、小銭を残さない方法で買い物をする練習をしたいという申し出。失語の現れ方は千差万別なので何通りかのカリキュラムを考えていかなくてはと思いました。

最後に数字の音声表出を全員で行いました。ホワイトボードに書いた統一性のない金額を発声します。今回は万単位が最高金額でしたが、徐々に億、兆と数字の羅列を増やしていきたいと思います。

次回は11月25日です。

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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