道を尋ねる・道を教える

2人ひと組になって、道を尋ねるひとと道を教えるひとになります。目的地まで教えることができたら尋ねるひとと教えるひとを交代します。シチュエーションは、おいしいお肉屋さんに行く道を、畑仕事をしている地元のひとに聞いてみることに。ちなみに車にはナビがついていません。地図を見ながら教えていきます。途中の道には市役所や郵便局、農協、火の見やぐら、さくら川、田子作さんち、などがありますが、目印のない交差点もあります。行き方はひとつではなく何通りもあります。交代する時は違う道を教えます。それではスタート!

まずは銘々、すいません、と声をかけるところから始まりました。笑い声が聞こえたり、真剣な表情があったり、各チームとも熱の入ったやりとりです。ひととおり交代でできたところで、いよいよ本番でみんなの前で発表しました。今回6名の参加でしたが、各自教えた方がまるで違うのです。ひとりは、肉やさんは知っているが遠いので全部教えるのは無理なので途中の農協まで行って、そこで聞いてください。ん〜おもしろい切り返し!でも、その場合は農協の人も演じてもらわなきゃなりませんよ、と言うと、あっ、そっか〜。 会話のおもしさが伝わりました。また、ある人は、市役所が見えてきたら右に曲がってください。郵便局が見えてきたら左に〜。と、まるで自分が運転していたらこう教えてもらったらわかりやすいな、という視点の教え方。グーグルナビのようです。また別の人は、T字路の言い方を別の言い方に変えて、たとえば、突き当たり、行き止まりなどに変えて教えました。語彙が蓄積されているのです。

難しい〜!と言いながら必死に伝えようとする姿勢。そこから紡ぎ出される言葉にはその人の思考や熱意が込められていて、聞く側も真剣。すばらしいなあと思いました。このロールプレイングはそういった意味で、実際に失語症の方にとって、とても頻度の高い日常のシチュエーションです。尋ねる、伝える、発話する、地図を理解する、それらを総動員して最終的に聞き手に理解してもらわなければミッションは成功とは言えない、難易度の高いレッスンです。

みなさん、とても疲れたと思いますが、積み重ねは必ず自信につながります。

次回は5月27日です。

 

 

IMG_8246

 

 

 

 

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

コメント

コメントする

目次
閉じる