仕事復帰。私はここにいていいの?

「仕事ができないとかいうより、自分との葛藤なんです」そう言って笑う彼女。

勤務していた会社の上司による勧めもあって復職してひと月。

もといた部署なので仕事の内容をだれより熟知していますが、その仕事は他のひとに引き継がれています。

彼女が今まかされているのは、簡単な書類の整理。引き継がれた仕事がうまくいかないで同僚が困っている時アドバイスしてあげたいのですが、適切な言葉が出てこない。言葉を探しているうちに時間がたってしまい迷惑をかけることがわかっているので、だまって見ているしかありません。

書類整理は簡単な作業のはずなのに、右手が思うように動いてくれないので仕事がたまってしまうことも。逆に、書類自体の枚数が少ない時には勤務時間が過ぎるのをじっと待っているだけの時間。

初日に「できないこと」を部署のみなさんに話して、理解してもらった上での仕事復帰でした。でも・・・。

私がここにいていいのだろうか。ここにいる価値があるのだろうか。そんな思いがぐるぐる駆け巡ります。だから、「自分との葛藤」。

あなたがそこにいるだけで、とても大きな意味があるんです。

だれにでも起こりうる、思いもしない出来事。絶望の淵から戻ってそこにいる強さを間近で知ることができた同僚のみなさんはきっと気づくはずです。

ひとはみな同じではありません。できること、できないこと。得意なこと、不得意なこと。それらをカバーし合ったり慮ったりしながら生きていける世の中になりますように。あなたが「できること」をがんばっている姿が、周囲のひとの勇気にきっとなっています。

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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