「楽しく!リハビリ朗読会」ドミソ♪で滑舌体操

退院して2日という参加者の方。

ご夫婦で訪れた。

8月にクモ膜下出血で倒れ、一ヶ月はほとんど記憶がないのだという。

失語症と診断されたHさんは、わたしと同い年。

ご夫婦ともども明るく、

滑舌体操では、ドレミファソラシド~♪と歌うように

ま・め・み・む・め・も・ま・も

それ、いいですね!

楽しく練習できますね!

失語症の方は、おうおうにして

自分の殻に閉じこもりがちだ。

話しかけられて、とっさに意味が理解できず

どぎまぎしているうちに、相手に変に思われるののではないかと

思い込んでしまう。

また、その逆も。

自分の言っていることはちゃんと伝わっているだろうか。

そのマイナスサイクルに入り込んでしまうと

輪の外に飛び出すことがこわくなる。

だれとも話したくない。

変に思われるくらいなら話さない方がいい。

英語を習得することを思い出してみよう。

「今の質問のしかた、文法はまちがっていなかっただろうか」

「正しい言い方は?」

それができないと恥ずかしい。

まだまだ、自分の英語力では実際に会話なんてとんでもない。

と、テキストとにらめっこして、月日だけが流れ・・・。

伝えようとする意志が大事。

知っている単語を並べて言葉にする。

相手は、一生懸命、何を言おうとしているのか理解しようとする。

コミュニケーションは、

heart to
heart

失語症の日常のリハビリは、

ありとあらゆる会話そのものである。

言葉を紡ぐ。

思い出せない言葉を「検索」して「上書き」する。

「え~と、ほら、なんて言うんだっけ」

「ああ、あれはね・・」

と、会話そのものがリハビリなのだ。

だから、

殻に閉じこもっていては、せっかくの無料レッスンチケットを

ポイッと捨ててしまうようなもの。

滑舌体操をしながら

ご夫婦が楽しそうに笑いころげる姿をみて

最初の大きな壁は突き抜けたんだなと思った。

笑顔になる前には、たくさんの不安に押しつぶされそうにも

なったことだろう。

でも、二人で、分け合い、乗り越えてきたに違いない。

また来月も笑顔で。

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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