I have Aphasia 私には失語症があります。

「アメリカでは『I have Aphasia 私には失語症があります』と言います」。日本語では「私は失語症です」となんの違和感もなく使っている言い方。確かに、この微妙なニュアンスの違いは、実はとても大きな意識の違いでもあることに愕然としました。日本語の私=失語症〜私は失語症のひと と断定した言い方にはパーソナルなそのひとの人格はまったく含まれていません。一方、英語のhaveは、失語症は私という人間の一部分という意味を持ち、言い換えれば失語症がそのひとのすべてではありません。日本人はあいまいな表現を好みますが、こと失語症に関して潔いまでに言い切っている。パーソナリティーを重んじる文化の違いなのかもしれません。でも、言葉を上手に操れなくても、私という人間は心も知力も備わっていてひとりの人間なのです。ちょっとした違いですが、「私には失語症があります」と失語症をもつ当事者が言い方を変えることで、失語症を取り巻く周囲の目を、社会を、少しづつ変えることができるのではないでしょうか。グループセッションの中から出た発言を紹介しました。

 

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災害など緊急時の失語症者の行動について

「災害時など緊急時の行動について」グループセッションを行いました。

コミュニケーション障害である失語症の方が、緊急時、避難所などで自分の状況やどのような支援が必要かを正確に伝えることが困難であることは明らかです。

2つの視点から、みなさんが現在行っていることを発表しました。1つは「行動」について。もうひとつは「コミュニケーション」について。

「行動」はその時どこにいるのかで、どこに向かうのか、家族とどのように連絡をとるのか。「コミュニケーション」は避難所でどういった方法で自分の状態を伝えるのか、また、何を要求したいのか。その伝え方について、それぞれ今現在行ってる対策は参考になるものばかりでした。

携帯しているもの

・自分で作った緊急時メモ

・自治体で配布しているあんしんカード

・ヘルプカード

・おくすり手帳

・障害者手帳

・4日分の薬

行政や公的機関のカード等は個人情報も含まれるので、自分で作成したメモがよいのではという意見が出ました。次回、独自の緊急時メモを作成することにしました。

避難場所については、片麻痺の方が移動することが困難な場合もあったり、最近の気候変動による自然災害は平地だから安全というわけではないので改めて確認することが必要といった意見も出ました。

なにも対策を講じていない方は、改めて準備をしておくことの大切さに気づいたようです。

このグループセッションを通して、今後、さらに具体的に多くの方に役立つアイディアをお伝えしていきたいと考えています。

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いちにさんしろくごしちはちきゅうじゅう

 

 

数字を苦手とするひとは多いです。数字は記号でそれ自体意味を持たないため数の認識がしにくいせいもあると思います。今日は1から10まで、数字と音声のマッチングのトレーニングを行いました。数字を見なくてもリズムの様に慣れ親しんだ”いちにさんしごろうしちはちきゅうじゅう”を何度も繰り返し残韻させます。次に、ひとつ順番を変えてみます。そうすると、おや?ということになり、改めてじっくり数字をみます。さまざまなパターンでこれを何度も繰り返し数字と音声を正確にマッチングさせていきます。

集中力を伴うので、みなさんけっこうヘロヘロに。今、完璧にできなくても大丈夫です。できないこともおもしろがりながら、前に進んでいきましょう!

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職場でのコミュニケーションは初期対応が大事

 

「○○のリハビリよかったよ」と聞けばどこへでも足を運んだ。自分にできる限りの努力を続けてきた。念願叶ってやっと復職。復職にあたっては上司、人事担当者と何度も面会を重ね、できること、できないことを伝えた。上司と人事担当者は自分達が正しく理解できているか確認しながら仕事内容や勤務体制を整えてくれた。決められた時間に出社してまかされた仕事をこなし、それが終わればデスクで退社時間が来るのをじっと待つ。ラッシュ時の通勤は予想以上につらく出社時間を遅らせてもらった。その分退社時間も遅くなった。すると、他の人達が退社しずらくなってしまった。

以前から同じ職場にいた仲間は自分の状態をわかってくれているように思う。でも、初めて同じ職場になった後輩達はあきらかに不機嫌そうな表情を浮かべる回数が増えてきた。仕事もできないのにいつまでも帰らないからこっちまでとばっちり。そんな呟きが透けてみえる。

何を言えばいいのかわからない。伝える言葉が見つからない。うまく話せないのだから、わかってもらえなくてもしかたないのかな。

もどかしさの中、月・火・水・木・金が過ぎていく。

 

「毎日がんばって通勤しているってエライです!」

「よくわかってくれているひとに間に入ってもらうのは?」

「感情的にならないように、思っていること、伝えたいことをリストにしてはどうですか」

「上司に相談して全体で話す機会を作るとか」

「職場のひとの思っていることを、つらいかもしれないけどちゃんと聞くことも大切かも」

 

仲間からたくさんのアドバイスを受け、少し笑顔が戻った。

 

勇気がいるけれど、たいへんなことだけど、お互いが思ったことを伝え合わなければ負の感情がどんどん大きくなってしまいます。負の感情は小さいうちに摘み取ってしまいましょう。

理解しあう努力をあきらめないで。

コミュニケーションは何度でもやり直すことができます。

最初からうまくいかなくてあたりまえなんです。

そうやって育てるものだから。

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「私にぶつかって転んでしまった男の子」

「兄弟どうしでふざけて前を見ないで歩いていた男の子が、私にぶつかって転んでしまったんです。右半身麻痺の私は男の子を起こしてあげることができず立ったまま。そのうえ、失語症ですから、とっさに言葉も出ません。かけよってきたおかあさんが「なんて失礼なひと!」と言わんばかりに私をにらみつけ、男の子の手をひっぱって行ってしまいました。悲しいとか、悔しいとかいうより、やりきれない思いで落ち込みました」

リハビリも兼ねて、あまり遠くない外出には杖を使わずに歩くようにしていたため、はたから見れば健常者と変わりありません。おまけに言葉もなく立ったままなのですから、不躾な大人と見られてもしかたがないのです。

そのことがあってから、外出には必ず杖を持ち、援助や配慮が必要とわかるバッジをバッグにつけるようにしているそうです。

障害があることを周囲に知ってもらうことは、誤解を防ぎ理解しあえることにつながります。それは一方向通行からくる悲しさを消してくれます。小さなお子さんにとっても大事なこと。助けたくても身体が動かないひとがいること、「ごめんなさい」と言わなければならなかったのは自分であることを理解できるとてもよい機会です。思いやりのあるやさしい社会は、互いを理解しあうことで実現していくのではないでしょうか。

 

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