ほんのちょっとのやさしさをポケットに。

先日、地下鉄に乗ろうと階段の手すりにつかまりながら階段をゆっくり上る女性の真正面から下りてくる男性がいました。そこは、階段の表示で「上る」側。つまり、女性は表示どおり正しい側を上っていました。下りてくる男性は動かず、困った女性は「ちょっと待ってください」と自分から横に移動しようとしました。でも、敏速には動けませんでした。すると、男性は、舌打ちしながら手すりから女性の手を引き離し、階段を下りていきました。女性はバランスを崩したものの大事には至りませんでした。その女性はバッグにヘルプマークをつけていて、私は、もしバランスを崩したらいつでも対応できるようにその女性のすぐうしろを上っていました。とっさのことに何の言葉がけもできなかった自分も情けなかったですが、この男性のギスギスした心をただただ悲しく思いました。外見からではわからない困難を抱えている方はたくさんいらっしゃいます。失語症もそのひとつ。失語症のある方は書いてある文字が意味とマッチしなかったり、言葉で何か言われても何を言われているのかよくわからなかったり、自分の思いをうまく言葉にすることができなかったりと、一歩外に出るとどうしたらいいかわからないことに直面します。たとえば、駅で行き先の表示を見てもよくわからない、買い物の時「○○円です」と言われても数字が浮かんでこない、尋ねたいのにうまく言葉が出てこない・・・。もし、ヘルプマークを付けている人を見かけたら、少し見守ってあげてほしいです。そして、困っているようでしたら、「なにかお手伝いしましょうか?」と声をかけてください。年末はそれでなくても気ぜわしいですから、少しのやさしさをほんのちょっとでいいのでポケットに忍ばせてくれたらうれしいです。

 

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朝トレ。

朝の時間を利用しての言語ボイスパーソナルトレーニング。初めて行ってみました。電車も空いていて移動が楽だし、仕事前の朝の時間はかえってシャッキリしてきもちもいいと好評でした。私も朝は一日のうちで一番好きな時間です。フラットに情報を吸収できるし感情のフィルターが透明で物事の判断が的確にしやすいのです。1時間集中して言葉のマッチングを行いました。なかなかよい感じです。職場での一日もよい時間でありますように。

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自然の中で学ぶ体験型”叶谷ベース”見学に訪れたふたり





ようこそ農園へ!叶谷ベースへ!!言語ボイストレーニングを受講していたお二人が農園を訪れました。二人とも失語症を抱え困難を乗り越えながら、仕事に、生き方に一歩一歩前進していらっしゃる。ほんとうにすばらしいことです。ブルーベリー畑まで足を伸ばした後、初のネギ抜き体験。火を入れた石窯で焼きネギに。「今まで食べたネギの中で一番美味しい!」。なんとうれしいお言葉!それから、セミナールームを見学し、2時間ほど談笑しました。改めて写真を観て、いい笑顔だなあと思いました。

自然の中で体験して学ぶ。からだを動かして、五感で自然を感じて発せられる言葉は心と直結してる。ご希望の方に向けての叶谷ベースでの言語ボイストレーニングは来年から本格始動します。

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数年後の笑顔じゃなく、明日の笑顔のために


もっかの目標はメールに返信すること。理解ある会社に復職したものの、すわってるだけでいいよとあてがわれた部署。電話は無理でもメールなら問合せに対応できるだろうとキーボードに向かってみたものの、文章が組み立てられなかった。すべて質問に対する答えは頭の中に留まっているのに、言葉と結びつかないので指が動かない。呆然とする。ほんと、ただすわってるだけなんですよ、と明るく笑うその心の奥底にある悔しさを晴らしてあげたい。パーソナルトレーニングなのでより具体的に解決方法を考え、さっそくトレーニング開始。だめなんですよ、言葉が出てこなくてと弱気になる背中を、大丈夫!明日、実践で使えるようになるから、と強く押す。押しが強すぎるのは私の欠点なのだけど、抑えることができなかった。せっかく復職したのに毎日ダメな自分と向き合って周りに気兼ねしている状況が少しでも変わるように。数年後の笑顔じゃなく、明日の笑顔のために。大丈夫!この方法で明日やってみて!「はい!これならなんとかなりそうです!」私の応援スイッチがフルパワーにオンして、1時間が経過する頃、みるみる表情が明るくなっていった。

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ひとりひとりができることをする

果樹園の冬支度を始めました。といっても12月に入ったというのに霜もまだおりていません。暖冬の予感。果樹達にとっては過ごしやすい冬かもしれません。

だれもが働ける農園の開墾を始めて4年目。農場にさまざまな人が見学に訪れます。私が大切にしているのは”パートナーシップ”。「してあげる」「してもらう」のではなく、「一緒に考えて行動」。ひとりひとりができることをする。自分はなにができるかを考える。できないことを数えたらきりがないです。できないことを通そうとすると無理が生じ、結果長続きしません。途中で「や〜めた」「一抜けた」することは、パワーバランスの考えと一緒だと考えます。自分は一抜けすることができる。でも、一抜け出来ない人は?がんばっている人、大切な人達が悲しむことはぜったいしてはいけないこと。大それたことじゃなくていいんです。どんな小さなことでも、自分にできることをする。私にできることとして始めた荒れた雑地の開墾。賛同してくれるひとが果樹の苗木を分けてくれたり、大木を伐採してくれたり。なり始めた実を摘んでくれたり・・・。企画書だけじゃひとは動かない。行動していると輪が広がっていくんだなあ。日々、実感しています。

「こんなことできるんだけど」と失語症のある人や片麻痺のある人、そうでない人、いろいろな人が集まって笑顔の広がる農園になったらうれしいな。

 

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