リハビリは新しい生き方をするための学習

 

リハビリは元に戻るために行うというのも違います。

新しい生き方をするための学習という方が近いかもしれません。

だから、やめずに続ける。脳は学習します。生きている限り。

新しい自分になって輝くために。あなたのまわりのひとが笑顔になるために。

 

失語症農園プロジェクト〜ブルーベリー農園の早生のブルーベリーがなり始めました。

 

 

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たった一音で「おいしい!」を伝えることができるんです。

「おいしいの?おいしくないの?だまって食べてちゃわからないわ」

「だまって食べてるのはおいしいからさ」

「ばっかじゃないの!?言葉で言ってくれなきゃわからないの!」

よく聞く夫婦の会話。ですが・・・違うんです。「おいしい」とはっきりした言葉で言えなくても、たった一音で「おいしい」を伝えることができるんです。それには、鏡を用いて口唇の形を確認すること。そのことで、まず一音をはっきり発音するトレーニングができます。また、トーンのような非言語的要素、表情のような側言語的要素も重要です。一本調子になりがちな話し方の改善にもつながります。今日は、一音で行う滑舌トレーニングをしました。うれしい時の「あ」、驚いた時の「あ」、怒った時の「あ」、悲しい時の「あ」。みなさん、それぞれのシーンを思い浮かべながら、「あ」で表現していました。一音でもちゃんと伝えることができるんです。「おいしい」を伝えてみてください。

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「できること」「できないこと」を知りましょう。

なにができなくなったのか、自覚することはとても辛いことです。

脳の障害によってもたらされた後遺症は「努力すれば願いは叶う。だから、がんばれ!」という精神論的な話で片付けられません。

でも、現実を直視することから目を背けては前に進めません。大切なのはできることを発見すること。

できること、できないことを知る。そこが、新しい生き方のスタートラインなのです。

まずは声を出してみましょう。小さな声でも、ゆっくりでも、はっきりしなくても大丈夫。言語ボイストレーニング教室では声を出す身体作りから始めて行きます。

 

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「脳梗塞・失語症から言葉を取り戻すまで」12 〜 現実を受け入れられない・・・

先生は昨日と同じ笑顔で迎えてくれた。実は、先生の名前をなかなか覚えることができない。顔はちゃんと覚えている。でも、なぜか名前が記憶の中に定着しない。だから、何度も先生の胸のプレートで名前を確認しながら、挨拶をしたり会話したり。他の先生方も同じ。自分のベッドの頭上の壁にある担当ドクター名が書かれたカードで確認しつつ話をしている。

この日、先生は軽く会話を交わした後、

「沼尾さんには、こういうのがいいんじゃないかしら、と思って」

と、A4サイズの紙を4枚、テーブルの上に置いた。そこには、横書きの大きい文字で、短い文章が一行ずつプリントしてあった。

①          青井さんは青いスキーが好きだ。

②          赤い紙に垢がつく。

③          空き家に引っ越したが、秋には飽きが来た。

④          悪の世界のドアが開く。

⑤          アクセントで悪戦苦闘する。

アクセント訓練用の短文の音読を提案してくれたのだ。アナウンサーになりたての頃、毎日こんな文章で練習をしたっけ。懐かしく思いながら、普通に会話するときの声量で読んでみる。こんなに短い文なのに難しい。スラスラと読めない。ちょっと落ち込む。そして、やけに疲れる。

「頑張らなくてもいいですから。少しずつやってみるといいかもしれませんよ」

と先生。このあとのリハビリで新しいプリントをくれるときも同様だった。決して「これをやってください」「やりましょう」とは言わない。毎回、何気ない口調で「こんなの、どうかと思って」と言い「少しずつでいいですからね」と必ずつけ加えた。 仕事のことを考えると、道のりは遠い。『西遊記』並みの途方もなく遠い道のりを歩いていくことになりそうだ。だから、今は仕事のことは考えない。目の前にあるちっちゃな山から越えていくしかないのだ。

病室に戻ると、さっそくもう一度、渡されたプリントを声に出して読んでみることにした。それも新人アナウンサー時代のように、滑舌よく読んでみようと。

うまくいかなかった。その次の文も、その次も、次の次も・・・・。滑舌よくどころか、スムーズに読めない。ましてや全部通しで一気に読むなんて、ありえなかった。もう文字はずいぶん理解できるようになっていた。でも声に出して読むとき、漢字でつまずく。こんな簡単な漢字で。

漢字は表意文字だ。かな文字やローマ字のような表音文字は一字一字が発音を表すのに対して、表意文字は一字一字が直接的にある意味を表す。だから、「青」という漢字を見ると、私たちはすぐに空や海の色を思い浮かべながら「あお」という読み方を記憶の中から取り出し、すぐ音に変換して声に出して読む。さらに、読むときに抑揚はつきものだが、正確なアクセントで読むには、その文字の意味を理解していないとできない。

このような作業は頭の中で瞬時に行われている。一般的には、変換が多少ゆっくりでも、問題はないと思う。でも、ナレーターという職業では、この変換作業が迅速かつ正確でないとお手上げだ。しかも、私がテレビで担当している番組は、事件や事故、社会や政治問題などをいち早く伝える情報生番組。事前にVTRを観ながら原稿を読み、それを収録することがほとんどだが、放送直前にニュースが飛び込んでくることもある。そんなときは、渡された原稿を、放送中に生で読まなければならない。よりスピーディーに、目にした文字の意味や読みを理解し、音に変換しなければならないのだ。

それなのに、こんな短い文章も読めない。普通に読むことさえできない。

「やっぱり、私、ダメだ」と泣きたい気持ちで、プリントをベッドの上に放り投げた。しばらく、ぼんやりと窓の外を眺める。

「どうせダメなのに、こんなことして何になるの?」

また胸が苦しくなり、動悸が激しくなってきた。つらい。この現実から逃げ出したい。言葉を操れない自分を、どうしても受け入れられなかった。こんなみじめな自分では、もう生きてる意味がない。

ふらふらとベッドから降りると窓辺に立つ。右手が窓の鍵にかかる。窓辺に立てかけ「あっ」と左手で支えようとした瞬間、1枚のお見舞いカードが目に入った。

〈ひろ子さんのオーラとパワーで病など吹き飛ばしてください〉

ふわっと力が抜け鍵から右手が離れた。しばらく放心状態で立っていた。どれぐらい時間がたっただろう。

大きく息を「ふーっ」と吐き出した。何度も深呼吸をした。

もう、仕事のことは考えない。仕事はしない。仕事に戻らない。

私は、床に落ちたプリントを拾い上げた。大きく口を開けた絶望の谷の淵ギリギリのところで、つま先で踏んばっていた。

<続く>

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ビジネスコミュニケーション「自分の職業を紹介する」②専門的な言葉を使わない紹介とは?

ご自分の職業を紹介するための宿題として、①職業 ②職業の説明 ③専門分野の説明 ④どのように行っているのか (具体的に)⑤その仕事への思いという5項目をまとめていただきました。今日はその発表を行いました。みなさん、できるだけ専門用語を使わずに平易な言葉に置き換える努力が垣間見れ、たいへん興味深いプレゼンでした。それでも、ちょっと耳で聞くだけではわからない言葉は、質問すると、わかりやすく説明してくれました。それこそが専門用語の置き換え、具体的に仕事をしている絵が浮かぶようなだれにでもわかる説明です。このような言葉の置き換えは名称と意味のマッチングのトレーニングにもなります。また、質問によって、「なるほど、この言葉は専門用語なのか」と改めて知ることができ、特に、医療の現場ではぜひ活用していただきたいコミュニケーションです。このプレゼンカリキュラムは聞くトレーニングも同時に行えます。聞いて理解し、わからないことを質問する。その質問を聞いて内容を理解し、答える。難度の高いコミュニケーションのトレーニングですが、自分の専門分野のことなら話しやすいし、初めて知る知識や情報は興味や関心をもって聞くことができます。私自身、みなさんのプロフェッショナルな仕事の内容や思いにたいへん興味深く、貴重なお話を伺えたことを感謝する90分でした。

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