当事者が伝えることが一番大事!

周囲のひとに、ご自分の抱えている失語症の状態を話していいものか、逆にいけないのではないか迷っていると話してくれました。せっかく復職したはいいものの、周囲には治ったから復職したと思ってもらった方がいいのでは、と考える方は少なくありません。でも、それでは、誤解を生んで職場に居づらくなってしまいます。誤解とは、「努力をしないことによる仕事の能力の低下」「性格が変わってしまった」、この2つが大きくあげられます。失語症という障害によって自分がどのように以前と不自由を感じて生活しているのか、それによって、周囲に迷惑をかけているのではと気にしていること、手伝ってほしいこと、これらを伝えることによって、お互いの不信感や遠慮の垣根を取り払うことにつながります。ぜひ、当事者のみなさんが失語症のことを話し、伝えてほしいと心から思います。それが、失語症を理解してもらう一番の方法だからです。うまく伝えられなくて、能力の低下と思われることが心配だという声があがりました。とてもよくわかります。私自身もそうでした。失語症を自分が理解していなかった頃、私はバカになってしまったとひどく傷つき、周囲にもそう思われたくなくて、だれにも会いたくない時期がありました。今の私がアドバイスするのは、そんな時、失語症がどういうものなのか書かれた文章を一緒に提示することです。コミュニケーション障害であって、蓄積された知識の消失ではないことをきちんと理解してもらうために、少し努力もしましょう。そうすることによって、周囲も不信感から解放されるし、お互いにとってのコミュニケ-ション障壁を取りのぞくことができます。

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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