沼尾ひろ子の失語症の方の朗読教室が新しくスタートしました。

朗読会の開催場所を言語生活サポートセンターに移して、新しくスタートしました。

今まで毎回自由参加で行ってきましたが、今回から半年ごとの区切りをつけ最終日に朗読発表会を行うことにしました。目標を持つことは失語症者にとって大切なことです。ゴールの見えにくい長期戦のリハビリに対して、短いスパンで目標を定めると励みになります。また、朗読はひとりで行ってもかまいませんし、群読といって多数でひとつのストーリーを語り継ぐ劇場型もあります。

この会で行うのは群読です。仲間でひとつのものを作り上げる達成感を味わってもらいたいからです。失語症者は孤独に陥りがちです。殻を破って出てきてほしい。そのために、声を出す喜びを知ってもらいたいです。

この朗読教室は、私自身が失語症リハビリのために実践してきたアナウンススキルを元にした発声訓練を、失語症者がよりイメージしやすい方法で教えます。自分の声や話し方に自信を持ってもらうには、おなかから声を出すこと=腹式呼吸の習得が重要です。まずは、自分の声=地声でしっかり力強い声を出す。そして、角のしっかり見える発音をする。口の形、舌の位置を視覚認識する。ただし、運動機能との連携は最重要課題ではありません。意識のレベルでいいのです。これらを楽しく教えていきます。

朗読は、文字認識→意味変換→発声、それらすべての練習になります。表現力を身につけ、コミュニケーションをはかり、達成感を得る。なにより楽しむことが大切です。

笑うことは自然にできる発声法であり、顔の表情筋を運動させることで滑舌につながります。幸福ホルモンと呼ばれるエンドルフィンが体内に分泌され、ストレスや不安を解消し、脳の血流量が増加することで集中力が高まります。

運動要素と音楽要素を取り入れながら進めていきます。

今日は朗読の題材に、「国定忠治」を選びました。日本語の「節」が脳波にどのような刺激を与えリラックス効果と言語情報ボックスから言葉を引き出す効果を与えるか、少人数だからこそできると思いました。思ったとおりです。役になりきって楽しそうでした。

さまざまなアプローチを実践していきたいと思います。

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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