制限時間5秒のクイズで名称のマッチング

「声がはっきりしてきた、とまわりのひとから言われました」。そううれしそうに報告してくれた方がいらっしゃいました。ほんとうに!よかったです。もともとスポーツをやられていた方ですから、体はしっかりしてらっしゃるのですが、瞬発力で勝負が決まるので胸式呼吸が基本になっていました。それで発声の練習を続けると、声帯も痛めてしまうお恐れがあります。教室だけでなく、お家でできる声のベース作りを宿題として教えたのですが、毎晩実践してくれた成果がしっかり現れて微発声の方が短時間のうちにしっかり声量がついてきたのですね!ほんとうにうれしいです!

さて、名称と音声とをたぐり寄せるのに時間がかかる場合、ある一定の待ち時間を作ることも必要なのですが、その待ち時間という方法で回路の開通に多くの時間を費やすことが必ずしもよいというわけではないことを、たくさんの失語症の方へ言葉のトレーニングをしている中で実感しています。瞬間の突破力とでもいいましょうか。スクリーン画像と名称が結びついた一瞬をつかんで離さない練習。ご自分の思いを伝えるのにだいぶ多くの言葉を繰り出すことができるようになった方に、さらに、タイムラグを縮めてあげたいとこの方法を考えました。脈絡のない突然の質問に答えていきます。待ち時間は5秒です。それ以上は待たずに正しい答えを伝えます。正しい言葉を繰り返し、音声の上書きをしていきます。今日は、最後のプライベートトレーニングの時間を利用して、お二人の方に取り組んでいただきました。とても楽しそうに質問と答えを繰り返していました。楽しみながら、しっかり成果を出していく。それが、私の教室です。

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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