感動の朗読会

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なんとなく緊張した面持ちで教室に入ってきたみなさん。席に着いても台本に目を落として静かなのです。今日は練習してきた「フランダースの犬」の朗読を発表する日なのでした。まちがっても、とちっても、すぐに言葉が出なくてもいいんです。みんなで楽しくやりましょう、と伝えました。そうして始まった朗読。お伽話のような曲にのせてナレーションが始まりました。およそ30分の大作、ナレーターは4名のかたにお願いしたのですが、実はそのうちのひとりがインフルエンザによって休みになってしまったのです。急遽昨夜連絡をしたのは、以前参加していたsさん。急なお願いにも関わらず引き受けてくれました。夜のうちに担当部分の台本を写メで撮って送り、sさんは自主練して参加してくれたのでした。全体練習はなしだったのにも関わらず見事なナレーションでした。主人公の少年ネロ役は2名の方に。Fさん、Iさん、二人とも声量たっぷりで、純粋な少年を豊かに表現してくれました。少年の友達アロア役のYさんは教室に来た当初、言葉に出すこともままならなかったのに、語のかたまりを一生懸命家で練習したようなのです。完璧なアロアに!おじいさんとナレーターの2役を担ってくれたKさんは、最初「緊張しないで大丈夫ですよ」とみんなを和ませてくれていたのですが、本当はとても緊張していたのだそうです。でも、やさしいおじいさんの雰囲気がベストマッチでした。アロアのおとうさん役のSさんは、意地悪な雰囲気を精一杯出してくれました。アロアのおかあさんとナレーターの2役のTさん。先週は体調が優れず欠席で心配していましたが、今日は他のみなさんを励ます言葉をたくさん発してくれました。中には涙してしまうひとも。言葉の力、真の思いが伝わったのですね。もうひとりのナレーターSさんも、語のかたまりを作り、家で毎日音読したそうです。その成果が現れ、特に助詞のつまずきがなくなったことが際だっていました。役でいうと5役を引き受けてくれたAさんは、さまざまなシーンで登場するので気が抜けず緊張の連続だったと思います。声量が弱いことを気にしていたのですが、確実に有声の音量が増してきました。そして、「ワン」だけで喜怒哀楽すべてを表現してくれた犬のパトラッシュ役のSさん。台本にはまっくろにト書きや書き込みがありました。どれだけ家で練習したか伺いしれます。本当にすばらしかった。そして、私は音楽や効果音を入れる役。実は私も緊張しました。みなさんの朗読をこわさないように。最後の曲の音が大きくなって朗読が終わると、拍手が湧き起こりました。安堵と達成感と一体感、それらがない交ぜになった拍手だったように思います。今日は、ご家族の見学もありました。ご家族のみなさんからも拍手が。本当にみなさん、素晴らしかったです!目的とそれに向かう努力が形になって表れたのです。改めて朗読には力があると思いました。私自身も感動の時間でした。さあ!来年も前に向かって一緒に歩んでいきましょう!

 

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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