会話を育てることと会話が迷子になってしまうこと

職場に復帰して4日目のFさんがその様子を話してくれました。朝5時半に起きてバスと電車を乗り継いで会社に向かい、8時に到着。夕方5時15分までが就業時間。罹患前に所属していた部署に戻ることができ現在はからだを徐々にならしているところ。帰宅すると9時で電気をつけっぱなしにして寝てしまうほど緊張の毎日ということでした。その後は質疑応答。ひとりひとつづづ質問していきました。車の運転はどうしているのか?どんな仕事をしているのか?従業員は何人か?夕飯は何時に食べるのか?電話は取り次げるのか?などなど、みなさん就業に対して関心が高く次から次へと質問が飛びました。答えるFさんも懸命です。こうした経験者の話は当事者の方々にもとってたいへんためになります。Fさんは、電話の応対が一番不安だったそうで、ずっと会社名をぶつぶつとひとりごとのようにつぶやきながらリハーサルしていたと話してくれました。少しづつ慣れてきて、落ち着いてきたこと、相手の方に聞き返されたことがないとのこと。すばらしいですね。集中して一日を過ごすのでたいへんな疲労度だと思いますが、しっかりからだも休めてこれからの長い人生を一歩一歩進んでいってほしいです。もうひとり、すでに仕事復帰しているIさんの心の葛藤にも話が及びました。専門分野の話は参加者のみなさんにはわからない点もあったと思いますが、それでもIさんが何を伝えようとしているのか読み取ろうとするセンサーを懸命に働かせて意見を述べる方もいました。気がつけば時間は1時間ほど過ぎていました。今日は会話、中でも、質問をして意見を述べる、まさに「会話を育てる」練習になりました。いつの間にかなにを言おうとしているのかわからなくなるという悩みも出てきました。これは、「会話の迷子」です。言葉のマッチングに神経が集中してしまうと最初の目的の伝えたいことがどこかへ行ってしまうのです。この克服法を次回から取り入れていきたいと思います。

次回は9月20日です。

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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