この会は滑舌ボイストレーニングを行っています!

この会は、失語症を抱えながらなんとか日常生活を会話で繋ぐことができるまでになった方が、よりスピーディーに言語情報処理を行い自信をもって言葉を発し仕事に就くこと、また、職場復帰できたもののさらに円滑に仕事を進めたいと考えているひとを対象に、滑舌ボイストレーニングを行っています。仕事に就きたいひとへの言語訓練を行うところはあまりなく、最近問い合わせも多くなってきていますので、どんな授業を行っているのか説明いたします。カリキュラムはオリジナルです。「沼尾式」とあえて言わせてもらいまます。さまざまな体操があります。また、舌の位置に特に重点を置いています。それらの基礎訓練が終わったところで、実践の練習へと移ります。一般の失語症の方向けの言語訓練より少し難しいと感じるかもしれません。「楽しい」をポリシーにしているので厳しくはありませんが、就業という目的がないひとにとっては少しハードルが高いかもしれません。わたしは、就業への強い意志や明確な目的のあるひとを全力で応援したいと思っています。

今日の会について。聞かれたことは理解できているのですが、それに答えたり、自分で伝えたい思いを言葉にすることが難しいことを「ブローカー失語」と言います。「言葉が出てこない、なんだっけ」と頭を抱えてしまったら、逆に、言いたいことはこれのこと?と、言葉を引き出す質問をすると、ああ!それそれ!とうれしそうにうなずく。そんな時はこちらもうれしくなります。今日はそのような場面が何回かありました。これを、「コミュニケーションを育てる」とわたしは呼んでいます。イエス、ノーで終わってしまう会話は、コミュニケーションが育っていません。つまり、同時にふたりが育てる努力をしないとコミュニケーションは育たないのです。伝える努力、伝わろうとする努力。この両軸があって初めて実るコミュニケーション。そこに喜びが生まれます。伝える喜び、伝わる喜び、わかりあえる喜びを、実感してほしい。そうわたしは思うのです。

次回は4月5日です。

IMG_0221

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

コメント

コメントする

目次
閉じる