脳卒中による要介護者数は日本全国で1,730,367人(2015年)、そのうち失語症者数は約50万人。世界中では500万以上と言われており、けっして少なくないことがおわかりいただけると思います。
失語症はコミュニケーション障害です。知識や知力が消滅したのではなく、「話す」「聞く」「読む」「書く」といった伝達の情報処理を行ってきた言語野が脳卒中などによって障害を受けたために、自分の思いと適切な言葉を結びつけることが困難になってしまいます。
「え〜っと・・・」と話したい言葉が見つからない。だから、しゃべれなくなってしまったと思われるのです。
話しかけられた内容や書いてある文字が意味とうまく結びつかなくて、何を聞かれたのか、何と書いてあるのかわからない。
そのためご自身はとても不安な精神状態に陥ります。
また、片麻痺など運動機能の障害とわかる場合をのぞいて、失語症は見た目は健常者と変わらないため、知的レベルの低下と疑われます。その心の痛手は計り知れません。
買い物に行ってレジで「○○円です」と言われた時お金の出し方に困る。
カフェで矢継ぎ早に聞かれると何を質問されたのかわからない。
ショッピングセンターでトイレの場所を聞きたいのになんと言っていいかわからないなど、社会生活も困難になります。
また、復職率も決して高くありません。
*失語症の人の生活のしづらさに関する調査(日本失語症協議会) *国際失語症協会
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