関啓子先生のご訪問

三鷹高次脳機能障害研究所所長で神戸大学大客員教授の関啓子先生が見学に訪れました。関先生ご本人も脳梗塞による高次脳機能障害で、現在もリハビリを続けています。その体験を講演等を通して多くの方に知ってもらう活動をしています。「沼尾さんが行っているボイストレーニングを見学させてください」と連絡を受け、感激と緊張と2つの感情が同時に湧き起こりました。関心をもってお越しいただきやはりうれしいです。

奥様のつきそいで初めての参加の男性の自己紹介からスタートしました。お名前と現在の様子など簡単なあいさつの後、他の参加者の方から質問が飛びました。これは私が大事にしていることのひとつです。話を聞いて理解し、関心をもって、質問をする。質問の言葉の選び方も考えるわけですから、脳の中はフル稼働です。答える側も同じです。質問内容を理解し、自分の考えをまとめ、言葉にする。会話は失語症の方にとって最も重要な要素ですから、この「自己紹介&質問」は積極性を養う上でもはずせないカリキュラムなのです。

この日は建国記念日ということもあって、滑舌はカ行を行いました。 けんこくきねんび ke ko ku ki は息を腔内のどこにぶつけるか、また、舌の位置の確認。腹筋がとても大事だということも合わせて説明します。

そのままの流れで、大声発声法を行いました。この日誕生日の方に向かって、お誕生日おめでとう!を伝えます。言われた方は「ありがとう!」とお返しします。滑舌、表現、表情。少しずつ離れていきます。最後は会場のはしとはしから向き合って発声。

最後に朗読。私が2011年に執筆した「35歳からの気になる男、気にもとめない男」(学研)の中からの一節を題材にしました。エッセイ風なので話し言葉に近く、表現しやすいこともあって選びました。少し長かったので、文字認識と発声のマッチングに時間をかけました。意味理解までは行き着くことができなかったのですが、ひとりひとりの課題と解決方法を伝えることはできました。

次回は、2月25日(水)です(^-^)/

 

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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