「電話が一番困るんです」。失語症の方にとって、聴覚情報だけの理解はとてもハードルが高いのです。失語症の方でなくても、電話は苦手という人は少なくありません。電話トラブルは身近なところでもあります。
先日、ある調理補助器具を購入しようとした時のこと。気に入ったものは見つかったのですが、使い方に少し不安がありました。そこで、電話をかけて聞いてみることにしたのです。
「もしもし、御社のホームページを見て電話をしているのですが」
「はあ」
電話口の声は男性です。覇気がなく、たった2音節なのですが、言葉に輪郭が見えない。締まりがない。それが第一声の第一印象。
「型番○○○の商品について質問してよろしいですか」
「はあ」
こちらの問いかけに対して、積極的に答えようとする意欲が伝わってこない、ぼそぼそした話し方。
「他社の商品と比べて使用方法は難しくありませんか」
「そこに、書いてあるとおりですが・・・」
ホームページに書いてあるとおり説明してくれましたが、一本調子で暗く、何を言っているのか結局よくわかりませんでした。
わたしはそこの商品を購入することをやめ、価格は少し高めでしたが、他社のメーカーを購入しました。
声の印象は電話の応対が一番的確に伝わります。実際に対面していれば、言葉で補いきれない、表情や身振り手振りがカバーしてくれることもあります。でも、電話はそうもいきません。
ふだんの何気ない会話でもこういったことが起こりがちなのですから、失語症の方にとってはなおのこと、たいへんな神経を使うことになります。
どんな話し方に好印象を持ちますか?というアンケートで上位の回答は「はきはきした話し方」です。はきはき話をするひとは快活で知的な印象を与えます。
今回は、自信をつけるためのボイストレーニングを行いました。
日本語の基本五十音をしっかり発音することで、はきはきした話し方を身につけていくことができます。そこで、濁音による発声で練習です。
がぎぐげ ごぎぐげ ○○がえる
がごがご げごげご がぎぐげご
ざりざり ずるずる ざじずぜぞ
だぢづで どどんこ ○○だいこ
ばびぶべ ぼうぼう のびたかみ
ばさばさ ぼさぼさ ばびぶべぼ
ぱぴぱぴ ぽっぽう ○○ぽっぽ
ぱっぽろ ぺっぽろ ぱぴぷぺぽ
出典 がぎぐげごのうた まどみちお
○○の部分をクイズにしながら、腹筋も使って声を出していきました。しっかり声を出していると、汗もかくし、のども渇きます。運動にもなりますね。
コメント