書店で「村上春樹」を買う

数字が苦手で真っ先に困るのは買い物です。日本のお金は、1万円札、1,000円札、500円玉、100円玉、50円玉、10円玉、1円玉、そうそう、2,000円札もありますね。お財布の中にいくら入っていて、買いたいものを買うにはいくら出せばいいのか、後ろで待っているひとに迷惑をかけずにスムーズにお金を出すことができるのか、考えただけで買い物をするのがストレスになりますね。お金の出し方は一通りではありません。金額がとっさにわからなくて、1万円札、または1,000円札を出してしまい、そんなことを繰り返しているうちに財布の中は小銭でいっぱいなんて話をよく聞きます。今日は、書店で本を購入するというシチュエーションで、お金の出し方を考えてもらいました。お題は「村上春樹の騎士団長殺し前編・後編を買う。2冊合わせて3,888円をどのように支払うか」。1万円札で支払う。5,000円札で支払う。1,000円札4枚で支払う。きっかり3,888円払う。1万8円出すという方もいました。だったら、1万88円出すよ、なんて声も上がり、性格も少し関係しているような答えがさまざま返ってきました。実際にレジの前では緊張して、やっぱりお札を出してお釣りをもらってしまうというという方には、スイカが便利ですよ、というアドバイスが受講生の方から出てきました。教室の中や、経験を積むという意味では時間がかかっても現金で買い物をすることはとてもよいと思います。でも、日々の生活の中では楽をする方法を選択するのもストレスを抱えるよりよほどいいように思いました。

店員さんに声をかけて書籍をさがしてもらうというロールプレイングでは、作家名や書籍名が正確に出てこず、「ハルキ」や、「最新の〜」という言葉で伝え、名称のマッチングができないことにがっくりしていたのですが、このアプローチはすばらしいのです。書店の中では「ハルキ」といえば村上春樹だし、「最新の」といえば平積みしてあるくらいの「騎士団長殺し」に決まっています。つまり、店員さんには正確に伝わり、コミュニケーションは成立したわけです。失語のトレーニングは正確な名称を発するだけが正しいわけではありません。伝わることが大事。その方法はひとつではないということです。

次回の言語ボイストレーニング教室は、7月25日です。

カテゴリー: 脳梗塞患者と失語症者の自立支援の会   パーマリンク

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