電話を克服するには

電話の応対は本当に難しいですね。耳から入ってくる音だけの情報ですから、全神経を集中させなければなりません。音の配列を文字と照合して、さらに、意味に変換という作業を瞬時に行うのですから高度な情報処理です。さらに、今度は、相手に返事をしなければなりません。問いかけに対しての答えを用意する作業は難儀なことです。的確な答えをするための言葉を選択し、音韻とマッチングして、言葉を相手に伝わるように発します。通話を開始してから終了するまでたいへんな労力を伴います。電話の練習をしたいという希望は、就業中のひとや就業を目指しているひとから多く、カリキュラムを組んでみました。電話の応対は、多くは定型で対応できるので、音の刷り込みが大事です。名前を名のる。挨拶をする。話したい相手の所在を確認する。在席の場合は変わる。不在の場合は、その後の対応を聞く。流れはだいたいこのような感じですね。徹底的に使う言葉を残韻させることで、ルーティンになれば、緊張していても言葉が自然に出てきます。つまり、変わる部分だけ、名前や日時や場所など変わる箇所だけ、メモできる体制を整えることができればしめたものなのです。今日は、3人の登場人物を名前を記入して、電話をかけるひと、受けるひと、交互に発声する練習を行いました。言い回しがまどろっこしく、言いよどんだり、発音に角がなかったり、早すぎて何を言っているのかわからなかったりしていますが、これには繰り返しが必要です。また、電話は、思った以上にゆっくり話した方が、丁寧で相手にもはっきり伝わります。そこで、ひとつひとつの語のかたまりを区切って記しをつけ、そこで一呼吸おいて話す練習をしました。まだ、読むことに必死で、実際の会話にはなっていませんが、まずは、しっかり決まった言い回しを情報処理ボックスにとどめることが先決です。はっきりときれいな発音を手に入れ、自信がつけば、極度の緊張も緩和されるでしょう。今は、難しいと感じるかもしれませんが、定型文を見なくても受け答えができるゴールを目指していきましょう。

次回は11月15日です。

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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