滑舌とは?母音と子音の解説

「ここでは、ゆっくりはっきり発音できるけど、日常会話でスムーズに話せるようになりたい」 。そう訴えるSさん。

どうしても運動機能の指令が上手くいかない失語の場合、発音の角が丸くなってしまうのです。克服するためにはまずは「角を作る」。日々滑舌体操を続けることが大切です。日常会話が徐々に気にならなくなっていくには、ボイストレーニングで基礎をしっかり身につけてほしいと思います。

角のある発音、それは滑舌です。

そもそも滑舌とは何なのでしょうか。滑舌とははっきり発音するための舌や口の動きのことを言います。アナウンサーの練習方法から独立した言葉です。

母国語である日本語は赤ちゃんの頃から耳に入ってき、わたしたちはその音を真似て言葉を覚えてきました。舌や口唇を使って音を自在に振り分けてきたのです。

日本語は母音5音と子音からなる50音で構成されます。この50音を美しく発声することが「滑舌がいい」となるわけです。

母音と子音の違いはなんですか? と改めて聞かれて即答できる方はあまりいないと思います。母音は、あいうえお。ここまでは答えられるでしょう。

では、子音は?

母音は「あいうえお」をローマ字で書いた時の、aiueo の部分

子音はka ki ku ke ko から aiueoを除いた部分

 

言語音は、肺から口に向かった空気を送り、はき出すことで作られます。

その時、どこかで空気の流れを妨害して出す音が子音で、妨害しないで出す音が母音です。

母音は、舌の位置(前後・高低)、口唇の丸みの有無(円唇・非円唇)で表されます。ここで言う「位置」とは舌の中で高く持ち上がる部分のことを言います。

たとえば、「い」は、舌の一番高い部分が口腔内の前の方にあるので、前舌母音。「お」は、口腔内の後ろの方にあるので、奥舌母音。「あ」は、その中間にあるので、中舌母音となります。

舌の高い部分の高さが、高い音は高母音、低い音は低母音、その中間は中母音と呼びます。

たとえば、「い」は高母音、「え」は中母音、「あ」は低母音。舌の高さは顎の開き方に比例します。「い」「え」「あ」と連続して発音すると、顎が下に下がっていくのがわかります。鏡を見ながら発音してみるとよくわかりますよ。

また、母音が発音される時に唇が丸くなっているか、いないかで円唇、非円唇と分類されます。

たとえば、「い」「え」「あ」は非円唇、「お」は円唇母音です。

あ a 非円唇中舌低母音

い i 非円唇前舌高母音

う u 非円唇奥舌高母音

え e 非円唇前舌中母音

お o 円唇奥舌中母音

 

少し難しいですね。失語の練習では、改めて舌の位置や唇の動き、息の出し方を確認していくことでふだんのスムーズな発音に近づくことができるでしょう。

今日は、な行の滑舌を集中的に行ってみました。

スクリーンショット 2015-03-28 17.31.22

 

な行は有声歯茎鼻音です。上の前歯の裏に舌先をあてて発音します。最初はよくわからないかもしれませんが、舌の位置を少し意識してみてください。

来月は、4月8日、4月22日、両日とも水曜日です。笑顔で会いましょう!

 

 

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

コメント

コメントする

目次
閉じる