インタビューで言葉のマッチング

今日は6名の方が参加しました。まずは近況インタビューです。インタビュアーになりたい方?と尋ねると「じゃあ」と手を挙げる方。次に、だれに聞いてみたいですか?と尋ねます。「○○さんに」と答えが返ってきます。質問は3つですよ、と言うと、ええ〜?!そんなに思いつかないですよ、とみなさんが口々に言うので、では2つにしましょう、と私。では、さっそく始めましょう、どんな聞き方でもいいですよ。「う〜んと・・・」じっと考えこむPさん。しばらくすると、「ここ2週間、どんな状況ですか?」プライベートな空間での言葉ではなくオフィシャルな聞き方を考えて出た言い方。すばらしいです。聞かれた方もしばらく考えて、最初に自分のそもそもの症状、そこから最近の様子を一生懸命伝えてくれました。このように、オープンな場で言葉を発することは、いつもと違った集中力をともない、言語マッチング作業をフル稼働させます。失語症の方にとってはとても疲れることですが、繰り返しで名称を覚えさせる認知とともに、少しハードルを上げる=負荷をかける訓練も必要です。 初参加の方にも同様にインタビュアーになってもらいました。だれに聞ききますか、と言ってもお名前もわからないわけですから、そこから質問を開始します。「名前はなんですか?」。それでいいのです。会話は、相手に対する関心がなくてはただの事情聴取になってしまいます。興味をもって聞いていく。そこがとても重要です。どうしたらいいかわからない時、興味や関心は見た感じから展開していきます。白いシャツを着ていた。すてきだな、どこで買ったんだろう。かっこいい髪型だな、結婚しているのかしら。オープンクエッションの時は思ったことをそのまま聞いていくのがいいのです。聞きたいことがあるのに言葉がマッチングしない時、え〜っとなんて言うんでしたっけ・・・と考え込む。そんな時、みんなで、なになに?どんなこと?と一緒に考える。私はこの時が大好きです。言葉がマッチングした時の喜びの共有はこの会だからできること。大切にしていきたいと思います。全員がインタビュアーと答える側の両方を体験して時間は30分ほど。それだけでへとへとですね。でも、いつも顔を合わせている方の意外な一面もわかったりして大笑いの時間でした。

この後、顔運動、滑舌、そして、とっさの受け答えを少しだけ。このとっさの受け答えは次回じっくりやりたいと思います。

ボイストレーニングは毎月第2、第4水曜日。3月は11日と25日です。

 

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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