私にできること

きのうの雨とは一転、やわらかな陽射しがあたりを包んでいます。ラジオから流れるニュースは目まぐるしく動く世界の様子を伝え、聴いているうちに私も何か動かなきゃと、じっとしていることは罪悪のような、駆り立てられる気持ちになっている自分にふと気づいて、いやいやおだやかな時間を愛おしもうと、椅子に座り直し・・・。お茶を飲みながら、思考だけはとまらず、どうしたら、これだけ多くの失語症に悩むひとたちを笑顔にすることができるだろうと。私にできることは何だろう。大きな声にはなれないけれど、小さな声かもしれないけれど、やはり、伝え続けることなのかな。

脳卒中による要介護者数は日本全国で1,730,367人(2015年)、そのうち失語症者数は約50万人(「失語症の人の生活のしづらさに関する調査」 より)。けっして少なくないことがおわかりいただけると思います。みなさんの身近な人の中にもいらっしゃるかもしれません。おじいちゃん、おばあちゃん、親戚のおじさんおばさん、ご両親、仕事仲間、友人、知人。もし、いらっしゃったとして共通しているのは、この前までなんでもなかったのに、突然?と驚かれたのではないでしょうか。ある日突然会話が成り立たなくて困った経験がある方、実は多いのではないでしょうか。

「失語症ってしゃべれなくなってしまうんですよね?」。大多数の人がそう答えます。少し違うんです。失語症はコミュニケーション障害です。知識や知力が消滅したのではなく、「話す」「聞く」「読む」「書く」といった伝達の情報処理を行ってきた言語野が脳卒中などによって障害を受けたために、自分の思いと適切な言葉を結びつけることが困難になってしまいます。「え〜っと・・・」と話したい言葉が見つからない。だから、しゃべれなくなってしまったと思われるのです。話しかけられた内容や書いてある文字が意味とうまく結びつかなくて、何を聞かれたのか、何と書いてあるのかわからない。そのためご自身はとても不安な精神状態に陥ります。また、片麻痺など運動機能の障害とわかる場合をのぞいて、失語症は見た目は健常者と変わらないため、知的レベルの低下と疑われます。その心の痛手は計り知れません。

買い物に行ってレジで「○○円です」と言われた時お金の出し方に困る。カフェで矢継ぎ早に聞かれると何を質問されたのかわからない。ショッピングセンターでトイレの場所を聞きたいのになんと言っていいかわからないetc

社会生活がどれだけ困難な状況かおわかりいただけたでしょうか。

私達が日常生活で利用するコンビニエンスストア、飲食店、デパート、美容室、ホテルや旅館、レジャー施設などで接客するみなさんが、失語症を理解し、失語症の方にどのような聞き方や声がけをするととても助かるのか、とてもうれしいのか、安心してひとりで外出できるのか、当時者だから伝えることができるコミュニケーション研修でぜひ知っていただきたいです。

「何かお困りですか?」このひと言がかけてもらえるお店や、宿泊施設や、観光エリアには、世界で500万人以上いると言われる(*国際失語症協会)失語症の方が笑顔で何度も訪れる場となることでしょう。

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