ほんとうは何がしたいのですか?

「職業と健康」を題材にコミュニケーショントレーニングを行いました。どうしてこのテーマを選んだのかというと、失語症のある方にとって、就業と就職は新しい人生をスタートさせる大事な意味を持つからです。何をするのか、なんでもいいのか。簡単にいうとそういうことです。なんでもいいから仕事がしたいという方の考えをよくよく聞いてみると、なんでもいいというわけではないことがわかります。これはいやだ、これは無理だ、と理由をつけて、仕事には就けていません。では、なにがしたいのですか?と問うと、わからないという答え。そうですよね。そんなに簡単にわかるくらいなら悩みません。気持ちはあっても身体的にできないことは確実に壁となって存在する。その上で、なにがしたいのか自分の心に正面から向き合わなければ、最初の一歩は踏み出せません。自分ひとりで考えていてもグルグル答えのない渦の中にはまって出てこられません。コミュニケーションをとることで、蓋をしていた心の深い部分にたどり着くこともできます。ほんとうは〜したい。その「〜」が一番大切なのです。

 

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この記事を書いた人

ナレーター/朗読家/司会/声とことばのトレーナー

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